- イラストが上手くなりたくて模写をしているけれど上達しない…
- 模写で効率よくレベルアップするにはどうしたらいいの?
“模写で絵が上達するかしないか“という議論はよくされていますよね。
私は、模写で絵は「上達する」と感じています。
ただし、1つ注意点があります。
それは、
何も考えずに描き写さないこと!
ここさえ意識して練習すれば、きっと力がつくはずですよ!
この記事では、
- 模写の効果
- 模写で上達しない原因
- 効果を最大限に上げるための模写のやり方
を紹介します。
模写で得られる効果はとても大事!!
まず、模写とはお手本のイラスト・写真をそっくりそのまま描き写すことです。
正しく模写に取り組むことで得られる効果は3つあります。
- 観察力が身につく
- 見えたものをそのまま描く力が身につく
- お手本から自分の知らなかった知識・技術を学べる
順番に説明していきます。
観察力が身につく
模写の効果、1つ目は「観察力が身につく」です。
人は、自分が全く知らないものを詳細には描けませんよね。
たとえば今、「リンゴを本物そっくりに描いてみてください」と言われて、すんなりと描けますか?

ヘタの部分ってどうなってたっけ…
下の方は黄色かったかな?
柄はどんなだったっけ
など。。
なんとなくは描けても、詳細は知っていないと描けません。
模写はそういった細かいところまで見て描くため、自然と観察力が身についていきます。
その観察力で得たことを自分の中にストックしていくことで描けるものが増えていくのです!

見えたものをそのまま描く力が身につく
模写では観察力のほかに、「見えたものを忠実に描き写す力」も求められます。
たとえば極端な話、
垂直な線が見えているのに、キャンバスには斜めの線を描いてしまうこととかありませんか?
これは正しく形をとらえずに、自分の想像・思い込みで補完して描いてしまっている状態です。

見えてるものをそのまま描けないと、なにが困るのか。。。
資料やモデルを見て描くときに、それを忠実に描けないといつまで経ってもうまく描けるようになれません。
描きたいものをうまく描けるようになるには、先入観にとらわれず見えたものを正しく描く能力が必要です。
そして、この能力を鍛える練習として模写はとても効果的なのです。
お手本から自分の知らなかった技術を学べる
模写をするときはお手本を用意する必要があります。
お手本にあこがれの絵柄や魅力的な演出の作品を使うことで、描き方・使っている技術などを学ぶことができます。
私も模写して得たことを自分のイラストに反映しています↓

先人の良いところを見つけるのには模写は最適なのです。
自分の作品を描き続けているだけでは気づかなかったことをたくさん発見できるはずですよ!
上手な人から技術を盗むことで、効率的に絵を上達させることができるのも模写するメリットですね。
何もまねしたくないなんて言っている人間は、何も作れない
サルバドール・ダリ(1904-1989)
「学ぶ」の語源は「真似ぶ」とも言われていますからね!
自分に足りないところは積極的に取り入れていきたいところです。
模写をしても上手くならない原因は3つ
模写の効果はとても魅力的ですが、一方で、たくさん模写しても一向に上手くならない人もいます。
それはなぜでしょう?
私は、原因は大きく3つあると感じています。
- 模写になっていない
- 何も考えずに線を描いている
- 自分のオリジナリティを入れてしまっている
当てはまっていないか1つずつ確認してみてくださいね。
1. 初心者のやる模写は模写になっていない
絵を描き始めた初心者がやる模写は、自分では模写しているつもりでもほとんどできていないと感じます。
観察力と正確に描き起こす能力が育っていないんですね。
ただ”模写”という行動をしただけで満足していませんか?
描いた後にお手本と自分の絵を見比べてみると、全然違うことがわかるかと思います。
描いても描いても全然うまくならないよー!という方は、量よりも質を重視する必要があるのです。
自分が思うほど完璧には模写できていないということを念頭において、じっくりと観察し模写してみましょう。
2. 何も考えずにただ見た線を描いているから
模写は上手くできるのに絵が上達しないという人は、この状態に陥っていることが多いです。
模写練習していると見えたものをそのまま描く力が身につくのですが、これをただなんとなくやっていると思考停止状態に陥ります。
物の輪郭線などが、だんだんと一つの線としてしか見られなくなっていくんですね…。
ただ見えたものを何も考えずにキャンバスに描いていると、応用力がつきません。
それは、トレースで絵が上達しないのと同じことです。

モノを立体的に捉えるように考えながら描くと、それは自分の知識としてストックされていきます。
また、
その模写でなにを学ぼうとしているのか?
これを意識しましょう。
どうして、こう見えているんだろう?
どうして、そこから影が出ているのだろう?
どんな技術が使われているだろう?
などと、見えたものから何が学べるのかを常に意識して描くと成長できるはずです。
3. 自分のオリジナリティを入れてしまっているから
模写は本来、自分の画風・オリジナリティを出さずにお手本の作風でそっくりそのまま描きます。
ここでオリジナリティを出してしまっては、結局いつもやっているお絵描きと同じようなことになってしまいます。
自分の手グセを使って模写していませんか?
自分では普段描かない描き方をすることで、新たな発見を取り入れることができます。
模写で確実に絵が上手くなるには?
効果的な模写の手順
ここからは、確実に上達する模写のやり方について説明します。
最初は慣れないかもしれませんが、丁寧にやることで力になるはずです!!
課題を設定する
模写は、今の実力で足りない部分の知識・技術を吸収するために行います。
漠然と模写していてもなかなか上手くなりませんので、ここをしっかり意識しましょう。
自分のイラストを見て、「何が今の自分の課題なのか」をちゃんと言葉で確認してください。
お手本のイラストを決める
模写するお手本を決めましょう。
次に当てはまるものが良いと思います。
- 設定した課題の部分が含まれているか
- 自分のなりたい絵柄
- あまりにも難しすぎない
最優先は「設定した課題内容が含まれているか」です。
たとえば、顔のバランスを勉強したいのに後ろ姿のイラストを模写しては、目的がずれてしまいますからね^^;
研究しながら模写する
いよいよ模写です。
自分が設定した課題が、お手本ではどうなっているか意識して取り組みます。
描き方は自己流でいいと私は思います。
というのも、完成品だけでは工程はなかなか分からないからです(メイキング動画があるならそれを参考にするのもありですね)。
でも、ここで自己流の描き方を模索しながら似たように描くことで、自分にしっくりくる描き方が生まれます。
見直す
お手本と見比べましょう。
どこかバランスがおかしかったり、影の付き具合が違っていたりしませんか?
そういうちょっとしたところを修正していくことでイラストのクオリティは上がっていきます。
ここでお手本と差を感じた部分が、先入観で描いてしまっているところでもあるので意識できたら良いですね。
模写で得た具体的なことを抽象的に訳す
模写をして得たことを他の作品にも応用できるようにしましょう。
そのコツは、具体的な事例を抽象的な概念で捉え直すこと。
たとえば、
- 身体のバランスはおへそを起点に1:1で描くといいかもしれない
- 洋服のシワはヒジやワキに多く出ているな
- 目のハイライトは3つくらい入れた方が魅力が増す
などと…
他のイラストにも応用できるような「公式」を見出すのです。
自分の作品に反映する
模写で得た技術を、自分の作品に反映しましょう。
実は、ここが大事です。
模写は模写でしかありません。
「この技術いいな!」と思うものを自分の作品に反映することで自分の色が付き、そこでオリジナリティが生み出されます。
凡人は模倣し、天才は盗む
パブロ・ピカソ(1881-1973)
模写しかできず、オリジナルが描けない人はここを意識して練習するといいと思います。
学ぶ能力がないといつか行き詰まる
絵は、自分の想像だけで描いていると、あるレベルまでは慣れで到達できます。
しかし、どこかで天井が見え始めるのです。
それよりもさらに上手くなりたい場合、
自分にはどこに何が足りないのかをきっちり分析して、そこを学ぶ意識が必要不可欠です(なにに対しても言えることですね)
絵の場合、その練習に最適なのが「模写」だと思っています。
ただなんとなく描くのではなく、意識をすこし変えるだけで模写のほぼすべてが栄養になりますよ!!
まとめ
この記事では、模写の効果と上達しない原因、効果を最大限に発揮する練習法を紹介しました。
つまり、模写の効果を最大限発揮するためには、常に「考えて描く」ということが大事だということです。
そうすれば、1枚のイラストからでも多くの学びを得ることができ、結果的に最短で画力が向上できますよ!
ぜひ、意味のある模写をして上達していきましょう!