神絵師(絵が上手い人)に嫉妬してしまう原因と対処法

- あの人絵が上手くて羨ましい
- イラストに「いいね」たくさん付いてて羨ましい… など
絵描きでちょっとドロドロとしたダークな感情に悩む人は少なくないと思います。
インターネットやSNSが普及した今は嫌でも他人の状況が視界に入り、人と比べる環境が昔よりも整ってしまい、羨望心や嫉妬心に駆られるシーンが増えているかもしれませんね。
私も昔、自分の中にわき上がる嫉妬心で苦しんだ時期がありましたが、最近そこから抜けられつつあります。
この記事では、辛い嫉妬心から抜ける考えをシェアしたいと思います。
少しでも参考になれば嬉しいです!
- 神絵師に嫉妬して苦しい
- いいねの数がたくさんついている人が羨ましい
- 嫉妬心の対処法が知りたい
あなたは何に嫉妬している?絵師への嫉妬には2パターンある
まず、私は『絵描きの嫉妬』には2パターンあるのではないかと感じています。
そのパターンとは、
- 純粋に高い画力に嫉妬している
- ちやほやされていることに嫉妬している
です。
どちらか片方の場合もあるし、両方が混ざっている場合もあります。
パターンによって、なんの目的があって嫉妬しているのかが違うんですね。
各パターンについて説明していきます。
画力に嫉妬している
まず、「画力に嫉妬しているパターン」です。
- あんなに上手いイラストを描けるなんていいなぁ…
- 私なんか全然うまく描けない、辛い
という感じ。
どちらかというと羨望に近いですね。
それが度を越えてくると、悔しい・憎いという感情が生まれてきます。
頑張って練習しても、能力が伸びないときに生じやすいかもしれません。
また、自分より後から絵を描き始めた人に画力を越さた場合も生じやすいと思います(自分の中の基準でね…)。
このケースの場合、「自分より暦が浅いのになんで?!」というショックと同時に、妬みにも繋がりやすい。
長年絵を描いてきて、画力向上の難しさを知っていると特に感じてしまいがちです。
そして、こちらの嫉妬パターンは悩んだ挙句に「どうせ私は無理だ…」と筆を折ってしまう人もいると思います。
目的は純粋に「画力を向上させたい」ということになります。
ちやほやされていることに嫉妬している
続いて「ちやほやされていることに嫉妬しているパターン」について。
- フォロワー数や「いいね」が多くて羨ましい…
- 自分のイラストにはいいねが全然つかなくて悲しい
- コメントなどでちやほやされててムカつく…
など。。。
私もこうした感情を経験したことがあるのですが、画力に嫉妬しているパターンよりも苦しさが段違いでした。
自分の中では大して上手くないと思っている人がちやほやされているときに、嫉妬心が湧き起こやすいと思います。
この嫉妬パターンの目的は「認められたい」です。
…いかがでしょうか。
あなたはどちらのパターンでしたか?
両方とも当てはまっていたかもしれません。
まずは自分の心がどんなことを望んでいるのか、しっかりと把握しましょう。
ここからは、パターン別により深く考えていきます!
目的が「画力向上」の場合
まずは、嫉妬してしまう理由が「画力」自体である場合。
画力向上した上での目的は何か?を考えることが大事かなと思います。
ちやほやされたいから画力向上したいという場合は、次の章も読むことをオススメします。
手段が目的になっていませんか?
画力向上が目的になっている場合、それは手段が目的になってしまっているかもしれません。
絵が上手くなってどうしたいのか。。。
- 自分が描きたいものを不自由なく描けるようになりたい!
- 絵の仕事をもらいたい!
などなど。なんのために画力向上を目指しているのかは人それぞれです。
ただ単に、絵が上手くなりたいと思っているから「絵が上手い人」に嫉妬してしまうのではないでしょうか。
もし、目標が明確になっていれば、あなたが嫉妬してしまう相手から学べることの方に目がいくようになるでしょう。
- 目の描き方が魅力的だ…
- 引き込まれる構図になってるなぁ
- こういう部分が絵の完成度を高めているんだな…
というように。
対処法を考える
そうは言っても嫉妬が止まらない!という方もいると思います。
嫉妬で苦しくならないために、私がたどり着いた対処法を紹介します。
画力を高いと思う人は相当努力していることに気づくべし
あなたが画力が高いと思っている相手は、恐らく相当努力しています。
人前にUPする作品だけを見ていると、裏の努力が見えないのでその作品だけで判断してしまいがちです。
しかし、見えないところでは何時間も地味~な練習をしているかもしれないし、うまく見せるコツを日々研究しているかもしれません。
私が中学生のとき、とても絵が上手でサラサラサラ~っと書いてしまう子がいたのですが、その子はペンとらくがき帳を肌身離さず持っていて、暇さえあれば絵を描いている子でした。
山積みになった紙を見て、中学生ながらにその習慣に感動していました。
自分はどうだっただろうと考えたとき、私は一週間に1枚絵を描くくらいだったなと思い出すと、絵が上手い人に対して嫉妬よりも尊敬する気持ちが強く出てきました。
まずは、自分より努力をしている人はたくさんいるということを認識しましょう。
成長スピードは人それぞれ
自分よりも後から絵を描き始めた人がメキメキと上達していき、あっという間に自分の画力を超えていくことってありますよね。
その上達の早さに嫉妬してしまうこともありますが、この場合も相手は裏でたくさん努力をしています。
また、その人が1を聞いて10を知るタイプだったりすると成長スピードが全く違います。
成長スピードはみんな一緒なわけではなく、人それぞれ。
なので、自分のペースでしか成長できないことを受け入れましょう。
他人と比べるのでなく、過去の自分と比べる
他人と比べていると、上には上がいてきりがありません。
いつまでも嫉妬する対象が登場してしまいます。
自分の画力を知りたいときは、過去の自分の絵と比べましょう。
1年前、2年前のイラストと比べてどうですか?
きっと、その時よりも成長していることを実感できると思います。
上を見て落ち込むよりも、過去の自分から見て成長を確認する方がポジティブになりますよね。
ポジティブになるのは、その先さらに努力していくためにはとても大事なことです。
あなたの絵をうまいと思ってくれている人に、まずは感謝する
そもそも、嫉妬するときってある程度絵が描けるときなんですよ。
描き始めた初心者の場合、嫉妬なんかしません。全部が上手に見えて感動している状態です。
ということは、嫉妬してしまうあなたは絵がある程度描けていることになります。
あなたよりもまだうまく描けない人もたくさんいて、その人たちから見たらあなたの作品も上手だなと思われているでしょう。
現時点で上手いと思ってくれている人たちがいることをしっかりと認識し、まずは感謝しましょう。
私もまだ思うような絵が描けないレベルですが、それでもTwitterでつながってくれている方からいいねやコメントなどいただけています。
この方たちには見向きもしないで、上ばかり見ているのはとても失礼なことだなと思っています。
応援してくれる人に感謝の念を持って接すれば、ますます応援してもらえるかもしれません。
それがパワーになり更なる高みを目指していけるようになります。
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目的が「認められたい」の場合
「私に注目してほしい」「いいねが欲しい」「ちやほやしてほしい」…
このように思っているときは、承認欲求が暴走している状態です。
人間誰しも承認欲求は持っていると思いますが、それを発端に「嫉妬心」が生じると、それはそれは苦しい状態に陥っていきます。
自分で苦しんでいるだけならまだしも、ひどいときは対象を攻撃しかねません。
なぜ、そんなに認められたくなってしまうのでしょう?
なぜ、認められたいと思う?
承認欲は人間に生まれる自然な欲求ですが、必須ではありませんよね。
3大欲求と呼ばれるものに承認欲は入っていません。
では、なぜ承認欲が爆発してしまうかというと、
自分で自分の価値を認めてあげられていないから。
「これが(現段階での)自分だ」と常に受け入れることができていれば、他人からどんな評価を受けようが反応がなかろうが気にする必要がありません。
自分の価値が他人の評価で決まると思っていると、常に「誰かに認めてもらいたい」という衝動に駆られます。
そして、そんな欲求が満たされないでいると、それが満たされているように見える人に嫉妬してしまうわけです。
承認欲求は永遠に満たされない
画力さえあれば評価されて、ちやほやされて、承認欲求は満たされると思っている。
ですが、一時は満たされることがあっても、それがずっと続くことはありません。
もっと評価されている人が目につき、その人と比べてまた満たされない→嫉妬心が湧いてくるというサイクルに入り、ずっと苦しい状態が続いてしまいます。
承認欲はどこまでも渇きつづけ、満たされないものなんですね。
ですので、その苦しさから解放されるには承認欲で動くことをやめるしかないのです。
対処法を考える
認めてもらうこと(承認欲を満たす)を目的にすると、絵を描くことが本当に苦しくなります。
こうした苦しい状況にならないためにどうしたらいいのだろう…。
私がこの苦しさを経験した当時、勉強し考えた結果辿り着いた対処法を紹介します。
これらの対策でだいぶ嫉妬心から解放されて気が楽になったので、参考にしてみてください。
自分の満たされていない心に気づくとラクになる
まずは、自分の気持ちを素直に受け止めること。
「私はみんなに注目されたい」「ちやほやしてほしい」「尊敬されたい」
自分の率直な欲求を紙に書き出してみましょう。
自分の気持ち・思考を客観的に見るには書き出してみるのが一番です。
頭の中でぐるぐる考えているのが一番よくありません。
思考が整理されず、同じことばかり考え悩んでしまい、どんどん苦しくなってしまいます。
書き出した欲求を見返してみると「あぁ、私ってこんな認めてほしかったんだな」と感じるのではないかと思います。
案外冷静になって自分と向き合うことができて、気持ちが楽になると思います。
そして、出てきた承認欲の分だけ自分で自分のことを認められていなかったということです。
そこを確認しましょう。
自分で自分をとことん認める
自分と向き合って出てきた「認めてほしい!」という欲望。
それは誰かに満たしてもらうことはできません。
結局、自分自身で認めてあげるしかないんです。
これはきっとかなり長期戦になるので気長にやってください。
実際、私もまだ完全に自身を認めきれていません。
ですが、少しずつでも自分を認めてあげることによって、微妙な変化ですが気持ちが前のような承認欲全開な状態からは抜け出せています。
どうやって自分を認めてあげるの?と疑問が生まれるかもしれませんが、私は欲求がムクムクと表層化してきたら「そうだよね、注目されたいんだよね」など優しい言葉をかけて理解してあげています。
誰にもかまってもらえないからギャンギャン欲求が主張してくるわけなので、まず一番身近にいる自分自身がかまってあげましょう。
他の目的も用意する
絵を描く目的が「認められたい」であるかぎり、苦しさは付きまといます。
そこで、別の目的も用意するのも手だと思います。
たとえば、「自分のあったらいいなを表現する」ことを目的にする。
オリキャラとか、架空の世界とか。。。
自分の中で完結する目的は、他人の評価なんて気になりません。
自分のためだけに描くのですから。
周りからの評価はもらえたらラッキー程度のおまけ要素になります。
目的を「イラストの仕事をもらえるようになる」に設定すれば、どれだけいいねが付くかよりも、仕事がもらえるかどうかが気になるところになりますよね。
そして、「いいね」が沢山もらえていなくても、イラストの仕事を受けている人というのも存在します。
絵の仕事をもらうためには画力やいいねの数以外にも、クライアントの要望をくみ取る力や再現する能力など、色んなことが必要になります。
周囲の反応を気にしている暇がなくなるくらい、自分のために打ち込むことができるようになると思います。
受けの良いイラストを描く
「そうは言っても、反応が欲しい…」と思う方は、周りが反応しやすいイラストを狙って描きましょう。
反応しやすいイラストというのはあります。
人気の漫画やアニメの二次創作や、共感できるシーンを漫画にするなど…
色のセンスを磨いて、人の目に飛び込みやすいイラストを描くのも手かもしれません。
逆に、自分の趣味全開のイラストは、絵描きとして既に名の通っている方でないかぎり、なかなか反応してもらえなかったりします。
過去の芸術家でも、生前は評価されなかったけど時代の変化と共に評価され始めた人がいるように、あなたのイラストもまだ反応がもらえる時期ではないだけかもしれませんよ!
イラストで承認欲求を満たさなくてもいい
どうしても承認欲を満たしたいという目的が手放せない場合は、絵を描くことは「手段」です。
イラストで承認欲求を満たそうとしている。
けれど、承認欲を満たすのが一番の目的なら、本来イラストに固執する必要はないはずです。
絵を描くこと以外のことに取り組んでみると、イラストよりも周囲が評価してくれる分野に巡り合えるかもしれません。
そうやって、自分を認めてくれる分野を他に持っておくと、イラストではそこまで承認欲を満たす必要がなくなり、お絵描き自体が楽しく嫉妬からも解放されると思います。
ただ注意点としては、やはり承認欲求に振り回されて行動していると、いつまでも苦しみからは抜けられないということです。
役に立った本の紹介
ここまで、2パターンの嫉妬について考察してきました。
私も嫉妬に苦しんだ一人ですが、私が嫉妬から解放されて楽になれたのには次の2冊の本が影響しています。
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『反応しない練習』では、嫉妬が生じる心の反応について学べました。
自分の中で生じる辛い反応に気づき、どうしていくかを知れたことは大きかったです。
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『嫌われる勇気』では、承認欲求が不要になる考え方を学べました。
この2冊の考え方は、絵描きの嫉妬だけでなく、生きていく上でさまざまな悩みにぶち当たった時にも役に立つと思うのでかなりオススメです。


もともと楽しくてやっていたお絵描きが苦しみを生んでしまうなんて、誰でも辛いですよね。
特にお絵描きが好きなほど苦しくなってしまいます。
でも、その嫉妬からは頑張れば解放されることはできます。
私がそうだったので。
この記事で一人でも嫉妬から解放されて、お絵描きが楽しくなるように願っています。
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